Joel's favorite  [★★★☆☆]

 
 Joel Spolsky編 『Best Software Writings』
 BEST SOFTWARE WRITING 3129円

 
 ソフトウェアに主眼が置かれた本を買うのは、
 今回が初めてです!

 
 この本は、世界的に認知されている
 ソフトウェア開発プロセスのエキスパートである
 Joel Spolsky 氏が編者を勤めています。 (訳者の受け売り)
 Joel氏が ソフトウェアのことに関する読み物を集めた一冊です。 
 とうとうと、ソフトウェアの世界について語るわけではなく、
 いい読み物によって、
 「語るのではなく、見せよ」 というルールに批准します。

 著者の紹介もかねて、目次を見てみましょう。
   ・目次 

     編者について
     著者について
     日本語版への序文
     訳者序文
     はじめに
     
     ケン・アーノルド   
                スタイルは内容である
     リーオン・バンブリック 
                最もおバカな
                ユーザーインターフェイス賞: Windows 検索
     マイケル・ビーン   
                プログラマアウトソーシング問題
     ローリー・プライス  
                データベースとしての Excel
     アダム・ボズワース  
                ICSOC04 講演
     ダナ・ボイド     
                自閉症ソーシャルソフトウェア
     レイモンド・チェン 
                なぜ、アンドキュメンテッドな振る舞いに依存する
                アプリケーションを単に締め出さないのか?
     ケビン・チェン、トム・カイ 
                ラマを蹴っ飛ばす
     コリー・ドクトロウ  
                カナダのインターネットを WIPO から救え
     ea‐spouse      
                EA: 人間の物語
     ブルース・エッケル  
                強い型付け VS. 強いテスト
     ポール・フォード   
                Processing のプロセシング
     ポール・グレアム   
                すごいハッカーとは
     ジョン・グルーバー  
                ロケーションフィールドは
                新しいコマンドラインである
     グレガー・ホペ    
                スターバックスは 2フェーズコミットを使わない
     ロン・ジェフリーズ  
                情熱
     エリック・ジョンソン 
                C++ ― 忘れられたトロイの木馬
     エリック・リッパート 
                電球を付け替えるのに
                Microsoft の社員は何人必要か?
     マイケル・“ランズ”・ロップ 
                ハマった時にどうするか
     ラリー・オスターマン 
                ラリーのソフトウェアエンジニアリングの
                法則第2番:テストメトリクスで
                テスタを測定することはできない
     メアリー・ポッペンディーク 
                チームへの報奨
     リック・ショート   
                MMAC WORD 6.0
     クレイ・シャーキー  
                グループにとっての最悪の敵は自分自身である
     クレイ・シャーキー  
                ユーザとしてのグループ: フレーミング
                ソーシャルソフトウェアのデザイン
     エリック・シンク   
                ギャップを埋める パート1
     エリック・シンク   
                ギャップを埋める パート2
     エリック・シンク   
                採用の危険
     アーロン・シュワルツ 
                PowerPoint リミックス
     ホワイ・ザ・ラッキースティフ 
                (マンガのキツネと学ぶ) 短時間の
                (そして願わくは辛くない) Ruby コース
    
     索引

             

   ・内容
     上にも書いたように、この本はJoel氏が
     読み手に“見えてくる”読み物を集めたものです。
     一口にソフトウェアと言っても、視点で非常に魅力的です。
     少し世界をのぞき見させてもらった気分になりました。
     職場と言うよりも、彼ら(彼女ら)の頭の中ですね。

  
   ・おすすめ度 ★★★☆☆
     私は、まったく知識を持ち合わさずに読みました。
     ですから、おそらく笑うとこで、笑えなっかったりしていると思います。
     ドンドンこの分野の本を読んでいって
     何年後かに読み直したときに、意味が入ってきたらうれしいですね。
  
     特に良かったのをあげましょうか。  
     ロン・ジェフリーズ氏は、プログラム界で長老と思しき人ですが
     彼の話は、実に気持ちがいいです。
     Wikipedia によると

      one of the 3 founders
      of the Extreme Programming (XP)
      software development methodology circa 1996

     らしい。 
     なんかすごそう。
     彼を含め メアリー・ポッペンディーク女史 や エリック・シンク氏
     の話には、ビジネス書から得られるような知見があります。
     
     ポール・グレアム氏 のハッカーの話しには刺激を受けましたし、
     グレガー・ホペ氏 のスターバックスの話しは、ハイライトだと思います。
     十分楽しめたと言えますね!
     
     とはいえ、通じ合えなかった部分があるのも事実。。
     本書の訳は、原文のブロークンな調子に合わせてあります。
      (原文を読んだわけではないですが、、)
     ご存知の型は、山形浩生氏の訳をご想像ください。
      (彼の砕けた文体の方ですね。 
       この方は、訳者としては やや特殊な型で、
       好き嫌いがあるかと思いますが それも含めて例示しました。)
     意味の分からない単語にくわえ、ブロークンな文体で
     ブルトンでも読んでる気分になったりもしました。
 
     でも、読み物として楽しめると思います。
     パソコンをされる方で、(例えば、ブログを書いたり、、)
     少し、ソフトウェアとかプログラムのことにも興味があるなぁ
      (軽い気持ちでけっこう!)
     と言う方に勧めたいですね。

   
   ・余談
     チームへの報奨というはなしがありましたね。
     突出した人がいれば分かりやすいですが、
     全員野球での勝利となると、難しい。
     Hatena も独自のシステムがありますね。
     
     近藤淳也著 『「へんな会社」のつくり方
     「へんな会社」のつくり方 (NT2X) 1575円 (P.65 当たり参照)
 
     メアリー女史のケースに興味をもたれた方には、
     この本がいいかもしれません

     
     チャック・マーチン著 『まずは、コーヒーブレイクを』
     まずは、コーヒーブレイクを―わずかな休息から生まれる新しいビジネスライフ 924円
    
     コンピューター系のコンサルをしているブライアンの、
     友人に語るストーリーが 主になっています。
     題名に、大部分のメッセージがこめられてますが、
     具体的なストーリーになっているので印象に残ります。
     この本も、“見える”一冊ですね。
     雰囲気は、ゴールドラット著の“The Goel”に近いですね。
     薄い本ですので、行きの電車で読めますよ。
      (通勤時間なんて人によるから、いい加減な言い方だけど )

     
     もしかすると、あなたの友人が話してくれるかもしれませんよ。
     読んだか聞いてみてください。
     あなたがその友人なら、ぜひ “伝える” をしてあげて下さい。