シンプリシティの法則[★★★★☆]

おはようございます。
今日は、『シンプリシティの法則』(ジョン・マエダ著) を紹介します。
シンプリシティの法則 1575円
コンピュータアートの実験から生まれた、ダイナミックなグラフィックである
通称「アイキャンディ」を作ったのは作者だそうです。
グラフィックデザイナーである著者が、シンプリシティについて議論しています。
帯の文句にもあるように、
複雑化する機械や人生をどのようにシンプルに保つかが焦点になっています。


About author

 ジョン・マエダ
 グラフィックデザイナー、ビジュアル・アーティスト、コンピュータ・サイエンティスト
 Rhode Island School of Design 学長
 サンフランシスコ現代美術館やニューヨーク近代美術館などに常設展示がある
 著書 『デジタル・メディアのデザイン技法』など
 HP The Laws of Simplicity / John Maeda
   screenshot


Contents

 シンプリシティ=健全さ
 法則1  削減
 法則2  組織化
 法則3  時間
 法則4  学習
 法則5  相違
 法則6  コンテクスト
 法則7  感情
 法則8  信頼
 法則9  失敗
 法則10 1
 1つ目の鍵 アウェイ
 2つ目の鍵 オープン
 3つ目の鍵 パワー
 人生


Information
 ○SHE is always collect 
   世界でトップクラスのデザイナーは、何かを見るときに眼を細めて見るそうです。
   正しいバランスを発見するために眼を細め、見るものを減らすことによって、
   分かることが増えるというわけです。
   シンプリシティを実現する最もシンプルな方法は、考え抜かれた削減を通じて手に入ります。
   SHE ・・・ Shrink(縮小) Hide(隠蔽) Embody(具体化)です。
   「Shrink」 
   縮小によって解決しようとするのはごまかしているように感じるかもしれないけれど、
   コンプレクシティの薬を飲みやすくするものはなんであれ、一種のシンプリシティです。
   「Hide」 
   典型的な例はアーミーナイフです。
   使いたい機能だけが表に出て、それ以外の機能は隠しておけます。
   「Embody」 
   大きくて多機能なものよりも、小さくて小機能を選ぶ際
   品質の高さに関する認識は極めて重要な要素になります。
   さらに、
   組織化することによってシステムを構成する多くの要素を少なく見せることが出来ます。
   SLIP・・・Sort(分類) Label(命名) Integrate(統合) Prioritize(優先順位の決定)
 ○時間もシンプルに
   私たちは、時間が節約される(時間コストを少なく感じる)ことによっても、
   シンプリシティを感じることができるようです。
   例えば、ソフトをインストールしている時のプログレスバーがそうですね。
    (左から右へ青く染まる横長のバーです)
   確かに、あれが有るのと無いのとではイライラが少ないような気がします。
   例えば、Windowsの起動時における更新やエラー修正と比べてみてください。
   まぁ、本書の中で出てくるパソコンはMacが想定されているみたいですが。 (^^;
   もし、プロセスの効率化(量的な速さ)を選択できなくても
   配慮(質的な速さ)によって解決することが出来ますね。
   たとえば、スタバの待ち時間に出てくる1口コーヒーとか 1口ケーキとかね。
 ○未完成な議論
   Laws of Simplicity は進行形の議論なので、
   著者自ら シンプリシティの欠陥を指摘しています。
   その1 頭文字の使いすぎ
   その2 間違ったゲシュタルト
   その3 多すぎる法則
   なお、著者のブログで議論は継続されています。
   「続きは、Webで」というやつです。 ^^
   現在は、サーバがダウンしているようですが。
 ○とりあえずの結論
   法則1 削減 シンプリシティを実現する方法は、考え抜かれた削減によって達成される。
   法則2 組織化 システム構成要素を少なく見せてくれる
   法則3 時間 時間の節約によってもシンプリシティを感じることができる
   法則4 学習 知識は全てをシンプルにする
   法則5 相違 シンプリシティとコンプレクシティは互いを必要としている
   法則6 コンテクスト シンプリシティの周辺にあるものは、決して周辺的ではない
   法則7 感情 乏しいより豊かなほうが良い
   法則8 信頼 私たちはシンプリシティを感じると信頼する
   法則9 失敗 決してシンプルに出来ないこともある
   法則10 1 シンプリシティは、
          明白なものを取り除き、有意義なものを加えることに関わる
   1つ目の鍵 アウェイ 遠く引き離すだけで多いものが少なく見える
   2つめの鍵 オープン オープンにすれば、コンプレクシティはシンプルに見える
   3つ目の鍵 パワー 使うものは少なく、得るものは多く


Recommend ★★★★☆
 ページ数に対して ちょっぴり高いので、★3.5ぐらいですね。 (^^;
 大変面白い議論でしたので、値段分ぐらいは楽しめた気もしますが。
 どこかで読んだ気もしますが、「ビジネス版−チキン」という話もありました。
 Macの予備電源を持たずに出かけ、仕事をすると 電池切れというデッドラインが迫ってくるので
 タイムプレッシャーが掛かり、仕事が捗るというわけです。
 おためしあれ。


What's more
  著者が言うには、
  西洋料理のシェフのお薦めとすし屋のおまかせの間には決定的な違いがあるそうです。
  例えば、お薦めの方はお客が選択をしているから、シェフにとってリスクが小さいです。
  一方、すし名人のお客の味覚芽を満足させようという試みは、
  「生きるか死ぬか」という様相を帯びたものになるそうです。
  なるんだそうです。^^
  アボット&アステロの有名なコント「誰が一塁?」ってのは『レインマン』のやつですよね?
  「Who's first ?」「Who is.」「So who ?」 こんな感じだったかな?
  他にも、年俸編とか奥さん編があったかな?
  「Underwear is Underwear!」 とか
  「K−m*rt is S*CKs」 とか、名言ごろごろです。
  レインマン (ベストヒット・セレクション) 1490円