ダイバーシティ

『ダイバーシティ』(山口 一男著)


ダイバーシティ 1840円 221p 07.24.08


Contents
【六つボタンのミナと カズの魔法使い】 − 社会学的ファンタジー
【ライオンと鼠】 − 教育劇・日米規範文化比較論
【あとがき】


Information
創造性
みなで何かを作る対話は、「理解」、「思考」、「表現」、「想像」、「応用」、「問題発見」といった生産側面に加えて、人々の個性が生きてこそ全体として一つの豊かな創造になる。
つまり、みながそれぞれに違うからこそ、一緒にクラスを作れば、似たような人間は集まってできるより、はるかにすばらしい創造に結びつく。


非常に面白かったです。
ファンタジーがなんで?と思いながら購入しました。
まさかこんなに、有意義な時間がすごせるとは。
2つの物語の関係を考えながら読むと面白いかもしれません。


帯には、「岩井克人氏 推薦!」とあり、店内のポップには「勝間和代さん おすすめ!」とありますので、
これ以上私が(しかも、HNで!)何か言う必要もないかもしれませんが 責任を持ってお薦めさせていただきます。


About author
山口 一男
シカゴ大学ハンナ・ハルボーン・グレイ記念特別社会学教授
経済産業研究所客員研究員
東京大学理学部数学科卒
81年シカゴ大学社会学Ph.Dを取得
コロンビア大学助教授、UCLA准教授を経て
91年より現職
08年よりシカゴ大学社会学科長に就任
約25人の教授陣を要する社会学の「シカゴ学派」を率いる
著書 『論争 日本のワーク・ライフ・バランス』(共著)
HP Kazuo Yamaguchi






以降 ネタバレを含みます。




自尊心を高めてあげる
子どもが自分の肯定的評価を生み出しやすくなるような、家庭や、学校や、コミュニティーでの人との関わりが必要だ。
日常生活にいて子どもが成長するにつれて、できるようになるさまざまなことや、精神的美徳、「正直」「親切」「勤勉」「勇気」などの資質を占める行動をほめることが考えられる。
ほめられた子どもは、自分の行為によって自分が親や周りの人々から認められることを学び、自身をつけていく。物質主義に陥らなくて済むのではないだろうか。


物語の構造
最初の物語は、「自分探し」の旅の行き着く先がダイバーシティなのです。
次の物語では、それを補い、社会にとってのダイバーシティの意味を具体的に明らかにしている。
この意味で、二つの物語は、相互補完的なのである。
2つ目のお話は、実際似合った講義をつなぎ合わせて脚色してつくったいわゆるファクション(Fiction+Fact)だ。


アスペルガーのくだりは少し違う気がします。
きっと次回作で、新しい知見を披露してくださるのではないでしょうか?


論理学がお好きな方には、こちらの本もお薦めいたします。
『詭弁論理学』 (野崎 昭弘著) 


詭弁論理学 (中公新書 (448)) 693円 01.76


ベイズ統計の話が少し出てきましたが、最近はてなで面白いエントリがありましたので、合わせて紹介いたします。
統計学の面白さはどこにあるか - hiroyukikojimaの日記