自壊する帝国 佐藤優

自壊する帝国 (新潮文庫) 820円 603p 01.11.08 
・本物の情報操作とはそういうものだ。嘘に基づくのではなく、部分的事実を誇張して、相手側に間違えた評価をさせるのである。 〜フルシチョフの息子


佐藤優
起訴休職外務事務官・作家
ロシア大使館、国際情報局分析第一課
02年背任容疑で逮捕
著書 『獄中記』など


序章 「改革」と「自壊」
01 インテリジェンス・マスター
見習外交官/イギリス陸軍語学学校/亡命チェコ人の古本屋/旅立ち
02 サーシャとの出会い
モスクワ、雀が丘/GRUの陰謀/科学的無神論学科との出会い/反体制派の演説/モスクワ大学の二重構造/アルコールへの驚くべき執念/週16回のセックス/対話の意味/召集令状
03 情報分析官、佐藤優の誕生
ソ連を内側からぶっ壊す/モスクワ高級レストランでの「正しい作法」/宗主国のない帝国/「異論派」運動の中心人物、サハロフ博士/誰かがやらなくてはならない「汚れ仕事」/ザルイギンの正体/分析専門家としての第一歩/外務省ソ連課長の秘密ファイル
04 リガへの旅
ラトビア人民戦線/アルバート通り/ラトビア特急/カラマーゾフの兄弟モロトフ・リッベントロップ秘密協定/外国を巻き込んだ独立戦略/ソ連の「隠れキリシタン
05 反逆者たち
反体制活動家のアジトへ/最初から狂っていた国/フルシチョフの息子/メドベージェフ”情報操作”/人民戦線の暴走/「自由の戦士」というビジネス/政治の季節の到来/欲望の塊
06 怪僧ポローシン
ポローシンの生い立ち/フロマートカの生涯/神道ロシア正教/モスクワの”都市伝説”/政治取引/黒司祭の巻き返し/転宗
07 終わりの始まり
「手紙作戦」の成果/先を見通していた共産党守旧は幹部たち/アントニオ猪木のモスクワ格闘技外交/良心派党官僚の苦悩
08 亡国の罠
極限状況の生と性/使者として/梯子を外したゴルバチョフ/逃亡者シュベード/政治的売春婦/ソ連共産党vsロシア共産党
09 運命の朝
三人への電話/思いがけない小銭の威力/ゴルバチョフは生きているのか?/逃げ出したポローシン/ふやけたクーデター/生存確認/ソ連解体を演出したブルブリス/カミカゼ攻撃/別れの宴/共産党秘密資金の行方/イリインの死/決別/デリート
あとがき/文庫版あとがき−帝国は復活する/解説 恩田陸