小飼弾の「仕組み」進化論 小飼弾

小飼弾の 「仕組み」進化論
小飼 弾
日本実業出版社
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新しい仕組みとは、今までに無かったビジネスや商品、従来とは異なる組織の仕組みなどを広く含む概念。我々がすべきは、新しい仕組みを作ること。新しい仕組みによって機械化されることはあっても、仕組みを作ることは機械にはできないこと。新しい仕組みは物事を非線形的に変化させることがある。だから、今ある仕組みで何かを生み出した時には新しい仕組みを頭の隅に置いておく必要がある。では、新しい仕組みはどうやって生み出せば良いか。本書では、「本当の20%ルール」として従来の仕組みをまわす仕組みをを徹底的にチューンナップし、全体の仕事量の20%でできるようにし、残りの80%を新しい仕組み作りに割くという提案がされていた。何が仕組み化できるか、考えている仕組みが既に存在しているか、仕組みと仕組みの噛み合わせはどうか、、、。仕組みを作ることによって被害が出ることもある。仕組み化をただ良い方へ加速するためのきっかけとしてではなく、悪くしてしまう可能性にも言及しているのも本書のポイント。

私自身の経験としても、単純に時間を20%するのが自分には合っていないと感じている。単純に時間を圧縮しても上手くいかないず、かける力を圧縮しなければならないのだ。やらなければならないことと、やりたいことの配分というのはとても難しい。将来のためにやっておかないと、とは感じつつも、今やりたいことをどこまで圧縮して時間を割くべきか、どこまでスケジュールに余裕を持たせるかというのは(本書にもあるけれど)まだ課題として残っている。5年以内ぐらいに感じることができればいいな。RPGを経験してきた人達というのは、マルチタスキングにすぐれていると言われることがある。しかし、人間が本当に集中してできるのは1度に1つだけらしい。こうした人達が優れているのは、あるタスクから次のタスクへの切り替えの早さだ。最近思うのは、1つ1つのことをこなす処理能力の早さも重要なのだけれど、こういった「あるタスクから次のタスクへの切り替えの早さ」が加速感を生むのではないかということ。くじけずに、次の行動へ素早く切り替えることができれば1日の満足度を上げることができる?

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小飼 弾
ブロガー/プログラマー/投資家
オン・ザ・エッジ(現LDH)の元CTO
『404 Blog Not Found』のアルファブロガーであり
プログラミング言語Perlの標準添付最大のモジュール「Encode」のメンテナンスを担当
著書『小飼弾のアルファギークに逢ってきた』など


まえがき
00 仕組みづくりが仕事になる
01 仕組みの仕組み ー仕組みを作る前に知っておきたいこと
02 仕組みを作り直す ー目の前の仕事を20%の力でこなす仕組み
03 仕組みを使う ー仕組みのコストとテストを考える
04 仕組みを合わせる ーチームで仕組み合うために
05 仕組みと生物 ー「新しい仕組み」を作るヒント
06 仕組みの未来 
あとがき 本書ができあがるまでの仕組み
参考文献