『Noam Chomsky [★★★☆☆]

どうしてもアウトプットというのは、滞りがちになりますね。
『Noam Chomsky』(鶴見俊輔監修) を紹介したいと思います。
Noam Chomskyノーム・チョムスキー 1050円

ずばり、『ノーム・チョムスキー』という書名になっていますが、
彼のバイオグラフィーという本ではなく、
政治的発言をするチョムスキーの講演とインタビューで構成されています。


About guest

 ノーム・チョムスキー
 言語学者 MIT教授
 著作 『メディアとプロパガンダ』 『9.11』 など
 HP chomsky.info : The Noam Chomsky Website
 


Contents

 講演
  2002年5月25日 
  ニューヨーク州ブロンクス、モンテフイオーレ・メデイカルセンター
 Q&A
  2002年5月25日 
  ニューヨーク州ブロンクス、モンテフイオーレ・メデイカルセンター
  2002年3月21日
  力リフォルニア州バークレ、バークレー・コミュニティーシアター
  2002年3月22日
  カリフォルニア州パロ・アルト、リッキーズ・ハイアット・ハウス
  2002年3月22日
  力リフォルニア州バークレ、カリフォルニア大学バークレー
 インタビュー
  2002年5月21日
  マサチューセッツ州ケンブリッジ(インタビュアー=ジャン・ユンカーマン
 監修者あとがき ノーム・チョムスキーについて

Information
 ○アメリカの対外援助との相関関係
   アメリ力の援助と投資環境の好転には強い相関性があります。
   投資家が資源を吸い取るチャンスが増大するほど、
   アメリカからその国への援助も増加していたのです。
   軍事援助のみを見てみると
   イスラエルとエジプトを別にすると、世界のトップはエルサルバドルでした。
   その後、代わりにトルコが、1999年以降はコロンビアがトップに踊り出ました。
   トルコは地理的にソ連、中東などと近接した戦略的に重要な位置にあるので
   冷戦期を通して高レベルの軍事援助を受け続けました。
   クリントン政権時代だけでも、
   アメリ力のトルコへの軍事援助は冷戦時代の1983年までの援助総額の4倍でした。
 ○環境への影響
   農耕の伝統が崩壊してしまい
   生命や農作物だけでなく、生物の多様性もダメージを受けました。
   非常に豊かな収穫をもたらしたのは豊かな伝統のおかげですが、
   その奥深い理解・知恵が水遠に失われてしまいました。
   結果として、この地域が農業に戻ったとしても
   グローバル企業から購入した、実験室生まれの種を使っての
   輸出農作物単一栽培が中心となってしまいます。
   また、アメリカの化学兵器戦と農産物破壊で住民がいなくなると、
    周辺には鉱物や豊かな石炭資源が残ります。
   それらは、国際企業や水力発電のためのダムとして利用されてます。
   これが「つまらないもの」への標準的な対処の仕方なのです。
   残念ながら、今に始まったことではないのです。
 ○イスラエルびいきの指導者たち
   アラブ諸国の指導者たちは、とてもイスラエルびいきなんです。
   なぜならイスラエルアラブ諸国を、その国民から守っていることを知っているからです。
   他のアラブ諸国
   アメリカを支持したいのに、イスラエルの行動がそれを妨げているのですね。
   アラブ諸国の指導者たちは、イスラエルにもう少し控えめになってほしいと思っています。
   あまり大勢を殺すなということです。最終的にこの地域では石抽がすべてです。
    (これは、本当なんですかね?調べてみたいですね。)
 ○テロリズムとは
   「テロリズム」とは、自分の国以外のモノが採った行為についてかぶせる言葉で、
   自身が行うのは 報復テロか正義の戦争 となるのです。
   しかし、他国がすればテロです。規模も何も関係ないのです。


What's more
 最近はこの本が出ましたね。
 『すばらしきアメリカ帝国』 (ノーム・チョムスキー)
 すばらしきアメリカ帝国 1680円
 しばらく読まないかもしれません。
 うろ覚えですが、帯に「秋に新刊が出る」という記載があったような気がします。
 楽しみですね。
 個別の批判よりも、パワーバランスの話なんて聴けたら嬉しいですね。


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