アメリカが嫌いですか

『アメリカが嫌いですか』(阿川 尚之著)


アメリカが嫌いですか 1600円 330p 02.15.93 文庫版あり


Contents
アメリカとの出会い】
カンザス・シティーの摩天楼/もろ人こぞりて/我が友ベーコン
ハワイの雪景色/霧のサンフランシスコ/バーナゲートの海岸にて
ルームメイト求む/スクール・オブフライング・サーカス
北帰行/自律の心意気/アフタヌーン・ディライト
ジョージタウンの春
【普通のアメリカ人】
ハロウィーンの夜に/ロイヤーと弁護士/チャリティーの経済学
主は来ませり/グラマシー・パークの秘密
提督はタクシー運転手/ミラビト家の婚礼
洞窟の民、森の民、砂漠の民/健さんは日本人
キルバーグ家三代/英語が話せますか/もう一つの保守主義
夢を見る権利/アリゾナの高い空/ヴェチィーと三枚のアメリカの絵
本当の船乗り/アラビアの七面鳥アメリカが開戦を決意した日
アトキンソン家の子どもたち/過ぎ越しの祭り/黄色いリボン
ヴァージニア便り
あとがき


Information
エクスポジトリー・ライティング
エクスポジトリー・ライティングという授業があった。
はっきりとわかりやすい文章を書くように指導する授業だ。
指導は徹底して実際的、論理的、単純、明快。
まず、以下にセンテンスを書くか。受動態ではなく、能動態で書け。短い文章で書け。
パラグラフ最初のセンテンスで要点をまとめ、最後のセンテンスで要点をまとめ、途中で考えを補足せよ。
1つのパラグラフに2つのアイデアを詰め込むな。センテンスからセンテンスに流れるようにせよ。
「書きたいことははっきりしているのだが、書けないというのは嘘だ。書けないのは、考えがまとまっていないからなのだ」とは、教授の言。


アドバーサリー・システム
アメリカの紛争解決スタイルに「アドバーサリー・システム」というのがある。(ex裁判での陪審員制度)
アドバーサリー・システムを通じて真実を発見する過程において、ロイヤー自身は真実が何かについて判断する立場にない。
「真実はこうだ」と提示するのがロイヤーであり、「真実はこれだ」と決定するのは陪審員
「素人に任せるの?」であるが、大事なことをプロにだけ判断させてはならない(!)という考えに立ったスタイルである。
プロに対する根本的不信感というのが面白い。


著者の強さ
あとがきより。
「どこにも属さない『私』という個人を昔と同じように迎えてくれる。会社を離れて一人になっても、この国でなら私は何とかやっていける。」
これを、「言いようのない安心感」と言い放てる人がどれだけいるだろうか?
少し悔しかったりする。



About author
阿川 尚之
慶應義塾大学法学部政治学科中退
米国タウン大学スクール・オブ・フォーリン・サーヴィス、ロースクール卒業
ソニー、米国法律事務所を経て
99~02まで慶應義塾大学総合政策学部教授
02から在米日本大使館公使(広報文化担当)
05より慶應義塾大学復職
東京大学特任教授
ヴァージニア大学ロースクール客員教授
著書 『アメリカン・ロイヤーの誕生』 『海の友情』など

   
最後まで読んでくれて ありがとうございます。
「我が友ベーコン」をどこで読んだのだろう?思い出せない。