クラウドソーシング

『クラウドソーシング』(B.リバート、J.スペクター 他著)


クラウドソーシング 世界の隠れた才能をあなたのビジネスに活かす方法 1890円 190p 07.26.08


Contents
はじめに
本書の軌跡
【1 未来のトレンド ークラウドソーシング】
【2 製品開発    ーアイデアクラウドの中にある】
【3 顧客サービス  ー究極のセルフサービス】
【4 マーケティング ー自分自身を売り込め】
【5 コンテンツ開発 ークラウドの情熱が成功のカギ】
【6 資金調達    ーソーシャルトレンディング】
【7 マネジメント  ークラウドに戦略的決定ができるのか】
【8 クラウドソーシング成功の8つのガイドライン
終わりに
謝辞


どのような形であれ、相当数の科学的・文化的コンテンツを含む世界規模の「クリエイティブ・コモンズ」を推し進めるなら、資本主義は崩壊すると論じる人もいる。 それは、違うということを本書で実例をあげて述べていきたい。 できれば、本書から刺激を受けてマス・コラボレーション革命に関わり、それによって、他人と恊働し、楽しみ、成功を手にしていただきたい。 本書に対する感想がどうであれ、クラウドソーシングという現象を追求することはぜひ続けた方がいい。 それは、未来のトレンドであり、その波に乗っていくべきだ。 社員たちは、インフラや資源を企業に依存しなくなり、独自の作業空間から無形の労務を提供するようになるだろう。


Information
無償でかまわない
コミュニケーションにかかる費用が安くなるにつれ、意見を知る際の費用対効果は飛躍的に高くなってきた。 数十万に及ぶディスカッション・グループや評価システム、掲示板、ありとあらゆる商品に対する不満や意見や忠告が、頼みもしないのに送られてくる。
クラウドソーシングの根底をなすのは、「インターネット・コミュニティの多くのメンバーは、自分たちの必要性や要求を満たす状況がうみだされるなら、無償で手を貸すことを全く厭わない」という考え方である。


コミュニティの発見
今日のクラウドソーシングはインターネット上以外でも起きている。 オフラインミーティングがその好例だ。 コミュニティがどこに存在しようと、アイデアや情熱の周辺はクラウドソーシングが起きる可能性に満ちている。 インターネットが唯一の手段ではない。 ここでも必要なのは、真摯に関わる献身的なメンバーであり、「知識を深めたり、好奇心を満たしたり、成功を追い求めたり」といった形のない見返りに満足を覚えるメンバーだ。 そして、コミュニティ主導のサイトが成功しているのは、基本的な前提のおかげだ。 それは、若者は所有物に、すなわち自分が持っているものや自分が欲しいものに熱心だということだ。 クラウドというものは、彼ら彼女ら自身が楽しめる領域で感動して初めて、近づいてきてくれるものなのだ。 コンテンツをクラウドソーシングによって生み出したいと思うのが、既存の企業のためであれ、これから立ち上げる会社のためであれ、人々が望み、必要としているものを探すこと。 そして、その要望を満たすために熱心なコミュニティが生まれるような方法で、それを提示すること。 ただ、もしクラウドソーシングとしっかりと結びつくコミュニティを見つけたとしても、メンバーが積極的に参加して、質的にも量的にもあなたの必要性を満たすコンテンツを生み出せるようになるまでには、しばらく時間がかかるかもしれない。 また、レビューページが成功するかどうかは、掲載の仕方や内容が信頼できるものであるかどうかに、ある程度かかっている。 この点については、外部の専門家からある程度助言を貰った方がいいかもしれない。  そうやって、クラウドソーシングによるサイトその他を始める人には、引き入れるコミュニティに対して歓迎する雰囲気をつくり出す必要がある。  


必ず成功するわけではない
コミュニティをつくる時に企業がまずメンバーとして考えるべきは、その企業とつながりを持つことにはっきり関心を示している人、例えば満足している顧客や企業が活動を行っている街の住人などだ。 そして、頭脳明晰な人を出来るだけおおぜい集めること。 頭の回転が同じように速い人が集まって活気に満ちたグループができていると、限りなく多くの優秀な人材が必要な時に、そういった人達を引き寄せることができるのだ。 企業が避けなければならない、落とし穴もある。 もし、コミュニティを交えて仕事をしているときなら、過ちをすぐさま認め、謝罪し、二度と犯さないことを確約することが最善の策だろう。


About author
バリー・リバート
専門家達のコミュニティを運営する企業、シェアード・インサイツUSのCEO
マッキンゼー・アンド・カンパニー出身
『フィーブス』『ウォルストリート・ジャーナル』『ニューヨーク・タイムズ』をはじめ、
テレビ及びラジオ放送局にも積極的に登場
HP http://www.wearesmarter.org/Default.aspx?Tabid=1768


ジョン・スペクター
全米産業審議会の会長兼CEO
20年にわたって、マッキンゼー・アンド・カンパニーに所属
プリンシパル、ディレクターとして活躍
ウォートンスクール内のエグゼクティブ・エデュケーション副学部長兼ディレクターを経て、現職
マーチ・オブ・ダイムスや新興企業数社の取締役も務めている
   
最後まで読んでくれて ありがとうございます。
4000人の著者によるこの一冊をぜひ、楽しんで頂きたいです。