金融大崩壊 水野和夫 

金融大崩壊―「アメリカ金融帝国」の終焉 (生活人新書) 735円 209p 10.12.08
アメリカがとった新自由主義政策の核心部分は、貨幣はマネーサプライで増やすのではなく、金融市場で株式時価総額証券化商品で増やす時代に入ったということ。 〜日本の「オウンゴール
・今後の20年で見ると、新興国実体経済が膨らみ、金融経済と実体経済のバランスを取り戻すことになると考えられる。 ここでも、無極化への流れは鮮明。 〜「金融」の変化
・当時よりも今回の方が圧倒的に巨大。 しかし、非製造業に至るまで大規模な新規採用取りやめ・リストラなどの影響は出ないのでは。 〜「就職氷河期」は再来するか
・95年以降、国際資本の完全移動性が実現し、資本は国家に対して優位に立った。 〜あとがき


水野和夫
三菱UFJ証券参与・チーフエコノミスト
早稲田大学大学院経済学研究科修士課程終了
八千代証券に入社
98年金融市場調査部長
00年執行役員
05年より現職
著書 『所得バブル崩壊』など


まえがき
01 アメリカ発 世界金融危機
連鎖する不安・9月15日「ショック」の理由・危機管理能力への疑念・ダブルスタンダード・追い込まれたアメリカ・2007年から高まっていた不安・そして、5大投資銀行がなくなった

02 危機の震源サブプライムローン問題とは何か
グリーンスパンの警告・1995年の転換点・「国民」「国家」にとっての危機・なぜ「サブプライム」なのか・バブルの構造・「証券化商品」の仕組み・強奪的融資・リスクの不可視化―CDO・さらなる仕掛け−CDS・「神様」も踊った・中産階級の「夢」の消滅

03 「アメリカ金融帝国」はなぜ生まれたのか
それは1968年から始まる・「大きな物語」の終焉・上がらなくなった企業の利潤率・新自由主義の台頭・IT革命と時価会計システム・覆った「経済の常識」・その時、日本は・「大きな物語」の最大の成功例―日本・21世紀の利子率革命・日本の「オウンゴール」・ありえた成長のシナリオ・アメリカはいつ気づいたのか・「金融帝国」の完成

04 世界は不況からいつ脱出できるのか
金融から自動車ビッグスリーへ・不良債権が確定しない・いつ下げ止まるのか・不良債権の発生規模・アメリカ国民の生活・5年分の需要を先取り・バブルもグローバル化する

05 「アメリカ金融帝国」終焉後の世界
投資銀行」モデルの限界・実体経済を振り回す・ドル機軸体勢の終わり・主役の座を降りるアメリカ・「G7の終わり」の始まり・「金融」の変化・「無極化」の世界・資本はどこへ向かうのか

06 日本経済の生き残る道はどこか
日本輸出株式会社・日経平均株価、大幅下落の背景・日本の危機管理能力は・26年ぶり安値の意味・新自由主義への”NO”・「就職氷河期」は再来するか・円高の影響・ターゲットは進行国の中産階級・必要な中小企業対策とは・財政支出はもう効かない・賃金はどうなる・二極化とセーフティネット・本当のグローバル化

あとがき