OUT OF OUR MINDS K.Robinson

Out of our Minds: Learning to be Creative
Ken Robinson
Capstone
売り上げランキング: 27287

筆者は世界各地の企業や政府と、クリエイティビティや人材に関しての活動をしている。本書は、今後主流となる知的産業において重要な要素となるクリエイティビティについての筆者の見解が書かれている。クリエイティビティと言われると、数値化できない、なんとも漠然としたイメージしかできないが、本書では、クリエイティビティとは、新しい可能性を見いだす過程であるとしている。

仕事を進める上で重要な要素となるクリエイティビティであるが、その良さを機能させきれていない現実がある。専門家の間では、ヨーロッパにおけるこうした仕事上の機能不全の原因として、硬直した教育システム及び雇用政策(その結果としての状況)が指摘されている。著者は本書の中でいくつかの提案を行っているが、教育に関するものが興味深かった。現状として行われている、学力向上を目的とした、芸術鑑賞等に関する時間の削減を指摘。むしろこうした、(アインシュタインがヴァイオリンを好んだように)何か違ったものに触れる時間をしっかり持つことが、それぞれが持つクリエイティビティを活かすきっかけ作りになるようだ。右脳と左脳のバランスということだろうか。

物事を考える時、論理で追いつめて、追いつめて、最後にスッと抜ける。その過程において、積み重ねた学習と、頭の中で同居する異質な要素が活きてくるのかもしれない。本書では、この考える過程において、様々な人材との意見交換をして刺激を受けることの効果も説いている。


Introduction
01 Bursting the Banks
02 The Septic Focus
03 Knowing Your Mind
04 Being Creative
05 Feeling Better
06 You Are Not Alone
07 Balancing the Books
Endnotes/References/Index/About the Auther