考えなしの行動？ J.スーリ + IDEO
物や事、周囲の環境。人々は、その質感、材料や以前ふれあったときの記憶から行動を起こす。ある時は機転を利かせたり、ある時は無意識的な行動だったり。そういった、直感的解釈、考えなしの行動（Thoughtless acts)の意図はなんだろうか。人々の風景から「着眼」と「発想」を得ることができれば、デザインのリソースとすることができる。デザインは、そうあるべき理由が説明できる「最適化」「合理化」されたものを指す。つまり、感性により生み出されるアートの対極。コンピュータでも補えること。しかし、最初の１％は人間（個人）がやること。
世の中にはデザインを恒常的に生み出す人がいる。彼らの生み出すデザインはどこからきているのか。考え抜いている人達と、暇つぶしに落書きする私との差を見せつけられた（そもそも、デザインの意味を間違って解釈していたし）。本書は全面の写真と数行の文章で構成されている。読者は、その写真からなにかを読み取るよう、求められる。原著では文章が本の後ろにまとめられていたが、翻訳版の購入層が娯楽を意図しているであろう等の理由から、構成が変更されている。翻訳は作家の森博嗣氏。「デザインを勉強している人は原著を」と書かれていたが、翻訳者の前書きも面白いので、原著を購入した人が本屋で目を通しても楽しめそうだ。
ジェーン・フルトン・スーリ
米国のデザイン・ファームIDEOのディレクター、ヒューマン・ファクター専門家
心理学と建築の学位をイギリスで取得
87年にサンフランシスコのIDEOに加わる
世界中でデザインやビジネスに関する講演を行い、
スタンフォード大学、カリフォルニア大学バークレー校ハースビジネススクール、
カリフォルニア美術大学で講義を担当している
訳者まえがき 着眼と発想のエクササイズ（森博嗣）
０１ 作用？
０２ 反応？
０３ 同化？
０４ 活用？
０５ 適合？
０６ 順応？
０７ 合図？
著者あとがき 考えなしの行動の組み立て（J.スーリ）
深澤直人より、著者ジェーンへ
Thoughtless Acts?: Observations on Intuitive Design
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Jane Fulton Suri
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