My Stroke of Insight J.Taylor
My Stroke of Insight: A Brain Scientist's Personal Journey
posted with amazlet at 09.07.07
著者は神経解剖学者。優秀(bypassing the master's degree)な研究者として第一線で活躍していた。しかし、左脳に起きた脳卒中(stroke)で倒れてしまう。左脳の言語野は”私”を認識する能力も持っている。そこに障害が発生した著者は、回復するまでの８年間リハビリをしながら、”私”を問う旅をすることになる。本書では、著者の経歴、発症、リハビリの過程が書かれており、脳の研究者が脳に障害を抱えるという出来事を追体験できるようになっている。
著者は旅の途中で多幸感（／同一感／宗教的体験）を感じたため、右脳と内的安定の関係に言及している。（どこまで額面通り受け取っていいのか分からないけれど）右脳は永劫の流れに開かれているとも書かれていたが、これはフロー体験（物事に超集中し、時間がとんだ気さえする体験）に近いものだろうか。本来的には、こういう体験は危険だと思われる。体験中、外部からの干渉に無防備になってしまうからだ。であれば、普段はなんらかの制御機能が働いているのではないか。左脳にはそういう機能があるのだろうか。
著者とは逆のケース（右脳に脳卒中が発生）を見て比較すると、また違った発見があるだろう。本書を読んで右脳と左脳のそれぞれが持つ認識の違いなど、さらに知りたいことが見つかった。
Acknowledgments
Introduction: Heart to Heart, Brain to Brain
01 Jill's Pre-Stroke Life
02 Simple Science
03 Hemispheric Asymmetries
04 Morning of the Stroke
05 Orchestrating My Rescue
06 My Return to Still
07 Bare to the Bone
08 Neurological Intensive Care
09 Day Two: The Morning After
10 Day Three: G.G. Comes to Town
11 Healing and Preparing for Surgery
12 Stereotactic Craniotomy
13 What I Needed the Most
14 Milestones for Recovery
15 My Stroke of Insight
16 My Right and Left Minds
17 Own Your Power
18 Cells and Multidimensional Circuitry
19 Finding Your Deep Inner Peace
20 Tending the Garden
Resources/Recommendations for Recovery/The Harvard Brain Bank/Index
