The End of Poverty J.Sachs

The End of Poverty: Economic Possibilities for Our Time
Jeffrey D. Sachs
Penguin (Non-Classics)
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著者はコロンビア大学にあるThe Earth Instituteのディレクター。極度の貧困を無くしてしまおう、未来ではなく、私たちの世代で、という提案がされていた。世界で見れば、6人に1人が極度の貧困のうちに暮らしている。彼らは、勤勉であり自分たちの生活を良くするアイデアも持っている。しかし、貯蓄をする豊かさが無いために、成長への梯を持つことができないでいる。彼らが豊かに暮らせないのは、富裕国への富の移転が主な理由ではなく、世界における成長率のばらつきが鍵になっている。彼らを救うのに必要な資金は、富裕国における歳入の1%の満たない。継続的に支援することが可能な額である。
外部から刺激を受けることで、発展途上国の経済は動的になる。まず、国は波及効果の大きい公共財に投資する。国を巡る富により、これまで欠けていた6つの資本(Human capital/Business capital/Infrastructure/Natural capital/Public institutional capital/Knowledge capital)を国内に蓄積することができる。あとは、彼らに任せればいい。彼らに必要なのは、発展への足がかりとなる刺激策だけだからだ。
途上国には、いくつかの問題(健康など)があるとされている。有効な方法はそれらを各個に解決することよりも結束して同時的に解決する方法のようだ。解決にあたるのは、UNのような国際機関。勿論、日本も経済大国と認知されているので参加をする。ぜひ一役かってもらいたいが、外交戦略としては国際機関を通すという顔の見えない援助に、二の足を踏むかもしれない。本書には、著者が参加した事業の例などが豊富に描かれており、説得しようという心意気が感じられた。著者は準備万端のようだ。

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Acknowledgments/Foreword by Bono/Preface to the Paperback Edition/Introduction
01 A Glogal Family Portrait
02 The Spread of Economic Prosperity
03 Why Some Countries Fail to Thrive
04 Clinical Economics
05 Bolivia's Hith-Altitude Hyperinflation
06 Poland's Return to Europe
07 Reaping the Whirlwind
08 China
09 India's Market Reforms
10 The Voceless Dying
11 The Millennium, 9/11, and the United Nations
12 On-the-ground Solutions for ending Poverty
13 Making the Investments Needed to End Poverty
14 A Global Compact to end Poverty
15 Can the Rich Afford to Help the Poor?
16 Myths and Magic bullets
17 Why We Should Do It
18 Our Generation's Challenge
Works Cited/Further Reading/Notes/Index


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