『入門 NEXT11 が みるみるわかる本』  [★★★★★]

おはようございます。
昨日は、NEXT11 についての本を読みましたので、書いてみようと思います。
『入門 NEXT11 が みるみるわかる本』 アジア&ワールド協会著
[入門]NEXT11がみるみるわかる本 1575円
NEXT11 は米国最大の投資銀行であるゴールドマン・サックス社が
BRICs に続く新興経済発展国家群としてあげた国々ですね。


著者
  中小企業診断協会に所属する
  国際関連コンサルタントによる共同執筆
  HP 株式会社ワールド・ビジネス・アソシエイツ(WBA)


目次

  まえがき
  第1章 今、なぜ NEXT11 なのか
      NEXT11 とは / NEXT11の魅力と特徴 / NEXT11 の投資環境 /
      NEXT11 の疑問と課題 / ゴールドマン・サックスの野望
      コラム 「南北朝戦統一の野望」
  第2章 2050年年の世界経済
      2007年における世界の現況 / これからの世界をリードする中国・インド
      経済を動かす資源 / 2050年の世界経済は
      コラム 日本は世界第3位の経済大国か?
  第3章 世界の中のNEXT11
      NEXT11 の11ヵ国 / 国内総生産(GDP) / 一人当たりのGDP
      GDP成長率 / 貿易 / 資本取引 / 世界の中の11ヵ国 
      コラム イスラム金融
  第4章 NEXT11 と日本
      「ヒト」の流れ / 「モノ」の流れ / 「カネ」の流れ
      NEXT11 各国と日本 / NEXT11 全般に言えること
  第5章 NEXT11 のビジネス事情
      バングラディッシュ民共和国
      エジプト・アラブ共和国
      インドネシア共和国
      イラン・イスラム共和国
      韓国
      メキシコ合衆国
      ナイジェリア連邦共和国
      パキスタン・イスラム共和国
      フィリピン共和国
      トルコ共和国
      ベトナム社会主義共和国
  参考文献
  執筆者略歴


サマリー
  ゴールドマン・サックス社はレポートの中で、NEXT11 の可能性を
  以下のように見ています。
   ○GDP が G7 の2/3 になる
   ○20年間で4%以上の経済成長
   ○需要が G7 の2倍生まれる
   ○米国以外の G7 の経済規模に追いつく
   ○韓国・メキシコは所得水準が数十年以内に米国以外のG7に追いつく
   ○ベトナムは今後25年で所得水準が現在の5倍以上になる

  
  第1章  
  ○NEXT11 以外の可能性
    現在あがっているNEXT11 以外の可能性としては、
    BRICs 研究所の
    VISTA (ベトナムインドネシア南アフリカ、トルコ、アルゼンチン)
    国際経済研究所の
    LEMs (BRICs+韓国、インドネシアサウジアラビア、メキシコ、アルゼンチン)
    がありますね。
  ○NEXT11 から外れた国と入った国
    タイ・南アフリカが外れていますね。
    これは、人口規模が他国より小さく、人口増加率も高くないことから
    経済成長率を低く見積もったからだと思われます、
    では、なぜほとんど変わらない条件の韓国が 入っているのでしょうか。
    著者は、ゴールドマン・サックスの戦略を見ています。
  ○では、どのような基準で NEXT11 を選んだのでしょうか
    GES (The Growth Environment Score) が基準になっています。
    1.マクロ経済の安定性 2.マクロ経済の環境 3.技術能力
    4.人的資源 5.政治環境 の項目での判断となっています。
    勿論これは、ゴールドマン・サックス製です。
  
  第4章  
  ○NEXT11 台頭における日本の好機
    現在 日本国内にいる在日外国人のうち NEXT11 からの人々が
    全体の8割を超えています。
    彼らの雇用によって、独自の戦略がとれるのではないでしょうか。
    また、NEXT11 の国々は ほとんどが親日・友日国です。
    これは、好機ではないでしょうか?
  
  第5章  
  ○各国の特徴
    本書には、各国の詳しいビジネス環境と特徴がグラフと共に掲載されています。
    ここでは、NEXT11 にノミネートされた国々と
    各国のプラス要素、マイナス要素を一つずつあげておきます。

      バングラディッシュ民共和国 
       + 総活気量世界一 (平均年齢の若さ、国民性) − 2度の独立戦争後の混乱
      エジプト・アラブ共和国
       + 多大な人口 − 膨大な軍事予算
      インドネシア共和国
       + 安定した外交 − 地方分離・独立の遠心力
      イラン・イスラム共和国
       + かなり親日 − かなり反米
      韓国
       + 優れた人的資源 − 高い貿易依存率
      メキシコ合衆国
       + 教育レベルの高さ − 外資導入体制の不十分さ
      ナイジェリア連邦共和国
       + アフリカ連合 (AU) の盟主 − 経済的犯罪
      パキスタン・イスラム共和国
       + 民族・文化の多様性 (diversity) − 地域間教育格差
      フィリピン共和国
       + 英語圏 − 賄賂・汚職
      トルコ共和国 
       + 高い経済成長率 − 慢性的な財政赤字
      ベトナム社会主義共和国
       + 豊かな資源 − 南北の格差


       
    ・おすすめ度 ★★★★★
       社会人になると常識の基準が変わってしまいますからね。
       おそらくこのレベルというのは、当然押さえておくべき事なんでしょうね。
       コラムも大変充実していました。      
 
    ・おまけ
       ちなみに、ゴールドマン・サックスは レポートの発表以前に
       投資をし終えていたそうです。
       なにをかいわんやですね。
       さらに、
       今回のエントリでは、韓国と表記しておきましたが、(本書でもそうですが)
       実際のレポートの中では、「KOREA」となっているそうです。
       そうです、「South」 がついていないんだそうです。