死体の経済学 窪田順生

死体の経済学 (小学館101新書 17) (小学館101新書 17) 756円 220p 02.07.09
・粗利の高い商売であったが、個性的葬儀への志向がすすみ、そうもいかなくなっている。 「直葬」と呼ばれる、通夜や告別式などを行わず亡くなったらそのまま火葬場へ直行というスタイルは、現在首都圏では葬式の4割を占めるようになったとまで言われる(費用や身元不明などの理由でスタイルを選べていないケースもあると思いますが)。 〜祭壇中心主義の時代を終わらせた「個性化」と「直葬
・ニュークリーンジェルスプレーなどの技術により看護師及び、遺族や葬儀業者が感染症になる危険を抑えることができる。 〜遺体は感染症の温床である
・おや、思っていたよりも、軽いな。 と思ったら、その棺はあまり高くない。 〜棺業界をも席巻する「中国製品」
・火葬場の建設は、地元住民の反対にあう可能性が高い(また、建設費用がかかるにも関わらず、先細りの人口統計から考えて、2038年という山を越えると、閑古鳥が鳴く)。 そこで、提案されているのがフェリーを建造し海上で火葬するという案や、地下に作るという案。 〜陸上の火葬場よりも火葬船は5億円以上もお得!
・そもそも「葬儀」とはサービスではなく「儀式」なのだから、適正な市場価格など存在しない。 「おくりびと」の仕事はサービス業ではなく、「おカネでは計ることの出来ない心の平安を提供する仕事」ではないか。 〜おわりに


”経済学”ではないです。 「遺体に触れる」ビジネスの最前線ルポタージュという内容です。 関係ないですが、この表紙は、やっぱりドラえもんなんでしょうか。 小学館ですしね。


窪田順生
『フライデー』で取材記者
全国紙記者、漫画誌編集長などを経て、
現在はノンフィクションライター


序章 葬儀費用が払えずに親を山に捨てる日
01 「ドライアイス」からわかる葬儀ビジネスのカラク
02 エンバーミングは葬儀業界の「救世主」になれるか
03 四川大地震で活躍した遺体防腐スプレー
04 「納棺」と「死化粧」のパイオニア
05 ”死臭”消臭剤開発プロジェクト
06 「死者の引っ越し」というサービス業
07 棺業界を席巻する「中国製品」と「エコブーム」
08 年間100万人超の火葬場は海へ地下へ
あとがき