LTCM伝説 N.ダンバー

LTCM伝説―怪物ヘッジファンドの栄光と挫折 2520円 417p 02.03.01
・ルイ・バチャリエ(ポアンカレの教え子)は1900年の博士論文でブラウン運動のもつ数学性を見いだしているが、微粒子の運動には一言も触れていない。 論文のテーマはパリの株式市場だったのである。 〜みえざる男
・ジョバニーニ(伊の経済学者)が後日ジャクソン・ホールで次のように言及している。 「多額の国際債務を蓄積させた国家の経済安定化政策は成功するか否かはいかにその債務コストを最小化できるかという能力如何にかかわっている。」 〜イタリア仕事
・彼(ショールズ)はこう言及している。 自己資本とはリスクに対する全能のクッションだと考えたい。 多ければ多いほどリスクは軽減できる、なぜならそれほど打撃を受けなくなるからだ。 一方もしシステム的なヘッジ、つまりより的を絞ったアプローチを使えば話はよりおもしろくなる、というのはトレードオフが出てくるからだ。 ヘッジするにはコストがかかるが、自己資本を使うこともコストがかかるからだ。 〜レバレッジと恋に落ちて


N.ダンバー
『リスク』誌テクニカル・ライター
マンチェスター大学ケンブリッジ大学ハーバード大学で物理学を専攻
ハーバード大学で地球物理学修士号を取得


監訳者序文/謝辞
序章
01 投機の理論
取引の起源/犬と分子について/見えざる男/金融のグル
02 恐怖心と貪欲の科学
バビロンのリスク・マネジャー/シカゴのピット・ブルたち/世界を変えた公式/現実の複製/フリー・ランチを求めて
03 時間に賭ける
マネーの申し子たち/神秘の男/債権の絆/土曜の夜の大虐殺
04 八岐の園
象牙の塔の解体/スワップ・ショップ/オプションを極める
05 警告
アリとノミ/ソロモンでの「サラダ時代」/スキャンダル
06 ドリーム・チーム
勇敢なる新世界/集結/連銀から来た男/リスク再考察
07 制御不能
イタリア仕事/スイス・コネクション/ボラティリティ中央銀行
08 マーチンゲールの歌
レバレッジと恋に落ちて/異常値/奈落へ/ボラティリティの罠/ゲームの理論
終章
訳者あとがき/参考文献案内/索引