金融工学を勉強しよう 足立光生

金融工学を勉強しよう
足立 光生
日本評論社
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知った知識を定着させるには、問題を解いてみるのがいいそうだ。考えてみれば当然で、実際に使ってみるのだから、自分のモノになっていたのか、知ったつもりになっていたのか、がよくわかる。特に、自分自身でよくわかる。本書には、章ごとの簡単なまとめに加えて、問題が数問掲載されているので理解の確認をする事が可能。まさか、問題が章ごとに配置されるというスタイルが、いろんなジャンルの本に広がったりしないだろうか。

帯(書影には無いが)にもあるように、本書は分かりやすさをウリにした入門書であり、数式は使われていない。私は数学にあまりなじみが無く、数学アレルギーのようなものを克服しようと思っている程度の理解力なのではあるが、どちらかといえば数式があった方が簡潔だと感じる事が多い(そもそも、それが数式化する良さなのだろうけれど)。しかし、本書には無理に数式を省いた場合にある、あのまどろっこしさは無く、図やグラフによって上手く理解が助けられたように思った。ポイントを直感的に理解してもらおうという著者の狙いは成功したのではないか。


足立 光生
経済学博士
名古屋商科会計ファイナンス学部助教
同志社大学経済学部卒
外資系銀行・外資系証券会社勤務を経て
京都大学大学院経済学研究科博士課程修了
京都大学大学院経済学研究科博士後期課程修了


はじめに
01 金融工学の重要ポイント
会話篇1 金融工学を勉強しよう
解説篇1 オプション取引は何を取引しているのか/オプションの値動きと「伊藤のレンマ」/ブラック=ショールズモデル
02 金融工学の実践
会話篇2 オプション取引って何?
解説篇2 個人投資家とオプション/カバードワラントの社会的インパクト/現代金融商品のからくりを暴け
03 金融テクノロジー現代社
会話篇3 金融工学は勉強するに値するか
解説篇3 LTCM破綻は「金融工学の破綻」を意味するか?/市場リスク管理の基礎/株価を予測するテクノロジー金融工学現代社
本書に出てくる基本用語/練習問題の解答/参考文献/あとがき