新・資本論 堀江貴文

堀江貴文氏がお金や社会構造について語っている。各章の前半は対談形式、後半はエッセイで構成されている。お金は信用そのものであり、信用は自分なりの成功体験から生まれ、コミュニケーションにより成立する。リスクをとって自ら動き、当たり前のように信じ込んでいる社会通念を吟味する。

親戚のもめ事で耳にするような古い嫌な固定観念に、著者は上手く捕われずにいられるようだ。著者は、自分の中に成功体験を持つことを、「自分の心の中に打ち出の小槌をもつ」と言い換えている。自分自身を信じて、自分の頭で考えて、意見し行動するから、著者は「打ち出の小槌」を手にすることができた。また、そのありかたが、私の頭から"ホリエモン"が消えない理由だと思った。全部で170ページほどなので、もう少し分量が欲しかった。

本書では、銀行よりもインターネットを利用した相互扶助に基づいた融資のあり方に言及されていた。これは、以前注目したネットワーク・システム・ファイナンスよりも原始的な人対人の、ある意味理想的なあり方だと感じた。やはり、そこにはお金や株式投資の基礎教育が必要だと考える。著者も、早期教育を勧めているが、私の意見としては、中学生後半からがいいと思っている。日常の消費活動に比べて株式投資は抽象度が高いので(いや、私の理解度のせいかもしれない)ある程度、生活が成熟する必要があると思うからだ。そうなる時期を、中学生後半と設定し、小学生の頃は、より具体的な自分でお金をコントロールする術(欲しいゲームがあるなら、その発売日に向けてやりくりするなど)を身につけようとすることがいいのではないか。この考え方は、午堂登紀雄氏の著作から得ている。投資思考/資産運用をするにあたって、大きく視野が開けると思う。就職活動の時にたくさんの企業を知るように、株をすることで会社や経済への興味が喚起され、理解が深められそうだ。私は、生活の中で資産運用に時間を使ってもいいと思う。

人気ブログランキングへ


堀江 貴文
株式会社ライブドア元社長
著書『徹底抗戦』など


01 日本は幸福な国なのか?
02 貯金と借金
03 マネーと教育
04 ルールの運用は恣意的に行われる!
05 いつだって先行きは不安
あとがきに代えて


午堂登紀雄氏の著作とはこれです。